毛布のたたみ方を実演してほしいのですが
オリエンテーション時に毛布のたたみ方は説明を簡単に行っています。さらに部屋にはたたみ方を書いたシートが張ってあります。それでも子どもたちは迷ったり間違ったりもするとは思いますが、これ以上の説明は不要と考えあえて実演の説明は行っておりません。
理由は昨今の映像(動画)での説明氾濫による「想像力の欠如」に対する危機感です。
教育現場においても ”分かりやすい”というだけでどんどん映像による資料提示や説明が増えてきています。たしかに手っ取り早く伝えるには有効かもしれませんが、言葉から想像することが下手になったり、連続した画像でないと画像と画像のつながりが理解できない子どもたち(大人も)が増えていると感じます。
例えばロープワークのやり方などは一旦動画に慣れてしまうと本などでイラストの説明(①⇒②⇒③などとコマ切れで説明してあるもの)をみても理解しにくくなってしまいます。これはコマ切れのイラスト間の動きを想像する能力が落ちているからに他なりません。
昔からプラモデルは組み立て方の説明書を見ながら作りましたが、コマとコマのつながりが分かりにくく、「どうして次はこうなるのだろう。」と頭をひねって作ったものです。しかしこのことは非常に重要なことであったと思っています。
間違えることで重大なデメリット(安全に関すること等)がある場合はできるだけ分かりやすく伝えることが必須だと思いますが、失敗が成長につながる可能性があるならあえて迷わせたり、失敗させることも教育の大事な側面です。最近の学校を見ていると”丁寧すぎて子どもが育たないのではないか?”という危惧を抱くことが増えてきました。
毛布のたたみ方が分かりにくいから分かりやすくするのではなく、「なぜ、これで分からないのか?」と分析し、分かるようにする能力を育むことも必要なのではないでしょうか?