よくあるご質問
全体的なこと
- 自然の家としての”こだわり”があると聞きましたが?
当所は宿泊を伴った”自然体験活動”を行うことを目的に設置されている施設です。自然体験をより有意義に行うためにも次のことを是非ご理解ください。
当所は「5感のアンテナ」を合言葉に、自然の中で五感をフルに活用して自然のサインを感じることを活動の一番の目的としています。
日常の安全で便利な生活に慣れてしまった状態を”街モード”と呼び、自然の中での本来動物である”ヒト”としての感性を大事にした状態を”自然モード”と呼んでいます。
短い滞在期間の中でいかにこの”自然モード”を体感することができるか? それが当所のこだわりといえます。
街モードの時には、不便、危ない、汚れる等といったことが気になりますが、自然モードに入るとそれら普段はマイナスに感じることがプラス要因として働き始めます。(自分で工夫することや、危険や試練を乗り越えること、見た目ではなく中身を大事にすること等)。
そのような仕掛けを生活や活動の中にちりばめてありますので、街モードでの感覚で不満を感じるのではなく、自然モードで喜びや発見をしていただれば幸いです。
利用・施設について
- 家族でも利用できますか?
小中学生を含むご家族なら利用することができます。但し家族単体では利用できません。
利用は原則として10名以上の団体となっていますので、ご家族で利用される場合は複数家族でグループを作っていただき「○○グループ」としての利用となります。扱いは他の一般団体(学校・青少年団体など)と同じになります。
1日あたりの利用定員については人数だけではなく団体数でも制限していますので、実際には利用できる日が限られます。また、他の団体が入っている時には食事場所・入浴時間・活動内容などかなり制限されるのでお勧めできません。
- スポーツ合宿等(宿泊のみ)でも利用できますか?
利用は教育目的で当所の活動を行う事が基本になりますが宿泊のみも受け付けています。但し以下の点をご理解の上お申し込みください。
・宿泊のみの場合も原則2食(夕食・朝食)付きとなります。(全く食事なしは受け入れていません)
・体育館施設やグラウンドはありません。集会室は卓球やリクリエーション等の活動のみ可能です。
・生活時間(就寝起床、食事、入浴)については通常の時間と大幅に変更することはできません。
・洗濯、乾燥を行う設備はありません。
※同宿団体との兼ね合いで融通がつく場合もありますので、詳しくは直接お問い合わせください。
- 団体独自の活動はできないのですか?
活動は基本的には所のやり方に従ってしていただく事になります。これは、活動場所の施設設備や安全性、教育効果を考慮して活動がより充実したものとなるようにという思いからです。また過去に勝手な活動が原因で設備を損傷させたり、他の団体の迷惑になったりということがあったために制限せざるを得ませんでした。
とはいえ、決め決めというわけではなく、状況(例えば利用日の他団体の有無等)によってはかなり柔軟性を持って活動することができますし、活動メニューにない団体独自の活動も行うこともできますので、お申し込みの前に電話で確認してください。
- 団体が重なった時の優先順位というのはありますか?
まず、当所の利用は入所日の午後から退所日の昼食後までの1泊3食が基本パターンとなります。
入所日の午前中から利用される団体も多い(9:00~利用可)のですが、前日からの宿泊団体があった場合、午前中はその団体が優先となります。雨天時は館内のスペースが少ないので特に注意が必要です。他施設の見学等されて午後入所をお勧めする場合も少なくありません。(詳しい調整は打合せ時に行います)。
入退所日が同じ団体については打合せが早い方が優先ということはありません。先に打合せをされても、同宿団体との調整が終わらないと活動予定が確定しませんのでご了解ください。同じ活動を選択し場所・コース等分けなければならない場合は、活動人数によって内規で場所やコースを割り振らせていただいています。希望通りにならない場合もあるかと思いますがご理解の程よろしくお願いします。
- 自販機はありますか?
自販機は置いてありません
水道の蛇口からはおいしい水がでます。せっかく「自然の家」に来たのですから日常の便利すぎる生活を見直すきっかけにしてみてはどうでしょうか。温かいお茶が必要な 時には事務室に申し出てください。市販の飲み物・アイスなどは近隣の業者に注文し配達してもらうことができます。最寄りの自販機は「道の駅瀬女」です。
- バーベキューをしたいのですが?
現在、炭火によるバーベキューは行っておりません。同じ食材でガスと陶板を使って焼く「陶板焼き」になります。陶板焼きは原則として夕食のみ対応しています。用具・食材、全てこちらの準備したものを使っていただくことになります。食材の持ち込みは一切できません。(食中毒対策です。ご理解ください)。内容は焼き肉・焼き野菜にご飯とスープのセットです。料金は通常の夕食と同額で、特別料金はありません。値段を考えると十分満足していただける内容だと思っています。但し、ガス代が別途1人40円必要となります。
炭火のバーベキューの魅力も捨てがたいのですが、現在は美味しく安全に焼け、準備・片付けが簡単な陶板焼きが夕食の定番となっています。
- どうしてマンガが置いてあるのですか?
館内にテレビがないことについては概ねご理解をいただいているようです。「自然の家にはテレビはない方がよい」とういう声もたくさんいただいています。なのに何故マンガが? と思われる方もいらっしゃることでしょう。
一言でいうと「マンガを読むことも自然体験にとってプラスになる」という考え方から、「厳選したマンガのみ」置いていあります。普段は子どもたちが好んで読むのとは違うジャンルのものです。マンガは暇つぶしに読むためではなく、より深く自然にかかわるための教材です。ロビーにあるマンガを読んでいる時の子どもたちは、より自然モードに近い状態になりますし、活動の合間も自然モードを持続することができます。同じ”マンガを読む”という行動でも感じるものや効果は大きく違う、その事を長い経験から所員は学びました。もちろん、子どもたちの状況によってマンガが不適切と判断したのであれば団体の方でマンガを読まないように指導していただいて結構です。
- ボールやフリスビーなどの遊具はありますか?
ボールやフリスビーなどの遊具は置いてありません。
街で一般的に行っている遊具を使った遊びをすると、せっかく”自然モード”になった子どもは”街モード”へと戻ってしまいます。
白山ろくまで来てわざわざ街の公園でできる遊びをしなくても、自然の中でしかできない体験をしてほしいものです。
もちろん、参加者同士のつながりを深めるにはボール遊びも有用かと思いますが、自然体験をするために自然の家は存在することを忘れてはなりません。
外でボール遊びをしているよりも、むしろロビーで自然のマンガを読むことの方が自然モードで自然と関わることができるといってもいいくらいです。
遊び道具がないから遊べないというのではなく、自由時間にその辺にある自然の素材を使った外遊びをしていただくことが一番です。
- 毛布のたたみ方を実演してほしいのですが
オリエンテーション時に毛布のたたみ方は説明を簡単に行っています。さらに部屋にはたたみ方を書いたシートが張ってあります。それでも子どもたちは迷ったり間違ったりもするとは思いますが、これ以上の説明は不要と考えあえて実演の説明は行っておりません。
理由は昨今の映像(動画)での説明氾濫による「想像力の欠如」に対する危機感です。
教育現場においても ”分かりやすい”というだけでどんどん映像による資料提示や説明が増えてきています。たしかに手っ取り早く伝えるには有効かもしれませんが、言葉から想像することが下手になったり、連続した画像でないと画像と画像のつながりが理解できない子どもたち(大人も)が増えていると感じます。
例えばロープワークのやり方などは一旦動画に慣れてしまうと本などでイラストの説明(①⇒②⇒③などとコマ切れで説明してあるもの)をみても理解しにくくなってしまいます。これはコマ切れのイラスト間の動きを想像する能力が落ちているからに他なりません。
昔からプラモデルは組み立て方の説明書を見ながら作りましたが、コマとコマのつながりが分かりにくく、「どうして次はこうなるのだろう。」と頭をひねって作ったものです。しかしこのことは非常に重要なことであったと思っています。
間違えることで重大なデメリット(安全に関すること等)がある場合はできるだけ分かりやすく伝えることが必須だと思いますが、失敗が成長につながる可能性があるならあえて迷わせたり、失敗させることも教育の大事な側面です。最近の学校を見ていると”丁寧すぎて子どもが育たないのではないか?”という危惧を抱くことが増えてきました。
毛布のたたみ方が分かりにくいから分かりやすくするのではなく、「なぜ、これで分からないのか?」と分析し、分かるようにする能力を育むことも必要なのではないでしょうか?
活動について
- 説明の時間が長い?
よく「活動の説明をお願いします」と言われますが、所員が活動時にするのは「単なる説明」ではありません。活動はひとつの教育活動であり、”授業”です。(社会教育施設でありますが、そのために学校教員が配属されています)
やり方だけを教えるのなら、例えば分数の掛け算のやり方は「分子は分子同士、分母は分母は分母同士掛ける」と一言で終わってしまいます。学校の授業とは違いますが、活動のやり方だけではなく、活動の目的や安全上の注意など伝えなければならない事がたくさんあります。また、興味を持たせるために実際の事例を紹介したりもしますし、活動は”その活動が時間内に無事終わる”ことより”その活動を通じて子どもたちが何を感じ学んだか”が重要です。(もちろんいたずらに時間が長引いたり、安全が脅かされることは避けなければなりませんが)
一つの活動には約30分の「授業の一部としての事前説明」が必要です。(イワナつかみはこれでも足りません)
職員に伝えたい”思い”が強いからこそ説明の時間がかかります。ただ、説明が数回に分かれた時に説明がかぶったり(職員は念押しのつもりで話しているのですが)、退屈に感じるほど一方的になることについては注意していきたいと思っていますので、是非ご理解いただきたいと思います。
- イワナつかみの場所について
イワナつかみは所から約6Km離れた渓流で行っています。現地への移動はバス・自家用車が必要となります。
現地は自然の渓流をそのまま利用していますので、トイレや更衣室等の施設はありません。トイレは自然の中で、着替えは河原ですることになります。どうしてもトイレの利用が必要な時は団体の用意した緊急車両で中宮地区の公衆トイレ(現地から約3分)に運んでいただくことになります。
尚、移動には所バスの利用(マイクロバス、定員25名)も可能ですが、ピストン輸送でのタイムロスや他の団体との調整が生じるため、団体のバスの利用をお勧めしています。
- イワナつかみの服装について
イワナつかみの服装は水着の上に半そで・半ズボン(濡れてもよいもの)が基本です。当所のイワナつかみは”ワイルドさ”が人気です、濡れないでつかむことはできません。全身濡れる覚悟で活動してください。したがって、活動後は現地で服を全て着替えることになります。更衣の施設はありませんので、必ず野外でも着替えられる用意(プール用の巻きタオルなど)をしてください。
安全上一番大切なのが履き物です。必ず濡れてもよいズック(引率の方も)を用意してください。クロックス等いわゆるアウトドアサンダルでの活動はできません。
- イワナつかみの昼食について
イワナつかみの昼食は「おにぎりセット」が基本となります。これと焼いたイワナでちょうどよい量になります。
セットには紙パックのお茶もついていますし、活動中は喉が渇くことはまずありませんので、イワナつかみに水筒など他の水分を持って行く必要はありません。
- イワナつかみや登山の雨天時には
それぞれ別に雨天時メニューを用意します。三方岩岳登山の場合にはホワイトロード探索を行い「晴れでも雨でもホワイトロードに行く」のが一般的です(荒天時は除く)。イワナの注文は当日キャンセルすることができます。イワナつかみは所の池でも実施できますが、活動の質がかなり下がるため、現在は幼稚園・保育園団体のみ行っています。小学生以上にはお勧めできません。
- 登山時のガスセット貸し出しについて
登山時にはガスセット(バーナー、ボンベ、コッヘルの3点セット)をお貸ししています。頂上でお湯が沸かせますので昼食に汁物が加わり好評です。1グループ(4~5人)で用具を分けて背負って行くことになります。ご利用される場合は団体の方で 汁物(ミニヌードルがお勧め)、500mlペットボトル(水を入れて)、マグカップ(グループに1つ以上)を用意してください。活動費が1人30円必要です。
- テント泊(キャンプ)はできますか?
当所にはキャンプ施設・設備がありません。したがってテントやシュラフなどの貸し出しも行っておりません。
施設内のグリーン広場(駐車場横)にテントを張ることは可能ですが、用具一式全て団体の方で用意していただくことになります。また、トイレなどの施設は全て館内を利用することになります。あくまでも”寝場所がテント”といった感じでテント泊を中心とした「キャンプ生活」は基本的にはできないことになっています。
周辺には「瀬波キャンプ場」や「中宮温泉野営場」などのキャンプ場がありますのでテント泊をご希望の方はそちらの施設を利用されることをお勧めします。
- 活動中の飲物について
登山等の活動中にお茶を飲むことはあまり好ましい事とは言えません。その一番の理由は「カフェインの利尿作用」です。麦茶やハーブティーなど一部のお茶を除いては多少なりともカフェインが含まれています。また、ノンカフェインのお茶であっても水に比べて消化にエネルギーを余分に使います。子どもたちを見ていると、お茶だけでなく味のついた飲み物は必要以上にたくさんのんでしまう傾向があります。では何が良いのかというと「水」です。水は単に水分補給だけでなく、傷の洗浄やタオルにかけて首などを冷やすことにも使えます。ただし熱中症対策となると水だけではなく塩分を含む飴などとの組み合わせが必要となります。
- カレーを作らない野外炊飯があるのですか?
野外炊飯(炊爨)はカレーも同時に作るのが一般的ですが、当所ではご飯だけを作る”炊飯のみ”をお勧めしています。
カレーを作ることも楽しい調理活動には違いないのですが、カレーは普通のまな板、包丁、ピーラーなどを使って作るので、「カレー係」は家庭科の調理実習と同じような作業をすることになります。
もちろん、同じような作業でも”自然の中で作る”こと自体に意味はあると思いますが、野外炊飯の最大の魅力は”焚火をコントロールしてご飯を炊く”ということに尽きると言っても過言ではありません。
しかし、カレー係の子どもは点火や火を操ることの難しさや楽しさを知らずに活動を終えることになりがちです。
それで当所では”炊飯のみ”に的を絞って、条件が良ければ炊き付けの小枝拾いから始め、点火(マッチもライターも使いません)、火のコントロール、炊きあがりの判断(これが難しくて面白い)をグループ全員で行っています。
シンプルなようで内容が濃く、グループの一体感も高まると利用者から高い評価を受けています。カレーは食堂で作りますので炊きあがったご飯とカレーをおいしく召し上がってください。