しみずっちの窓から⑧ ~ オロにご用心! ~
令和4年(2022年)8月15日
オロにご用心!
この時期川原に行って、「オロ」という虫と出会ったことはありませんか?
「オロ」は、アブの仲間で、正式名称は「イヨシロオビアブ」といいます。(加賀地方では、オロまたはオロロと呼ばれています)名前の通り、胴体のシロオビが特徴です。(表紙写真参照)
体調1.5㎝ほどのこの虫は、やっかいなことに人を刺して吸血する習性があります。
私も刺されたことがありますが、人によっては1週間ほど腫れやかゆみに悩まされるようです。
研究者によれば、「オロ」は300メートルから500メートルほどの山間の清流に生息し、
成虫となった7月末から9月中旬にかけ、子孫を残す栄養分を摂取するため生物たちの血液を吸い取るようです。
まさに小さな吸血鬼ですね。
命をつなぐため彼らにとってはまさに命がけの行為なのでしょうが、
せっかく自然体験や川原遊びなどを楽しみに来た人には迷惑この上なしですね。(苦笑)
とはいえ、生物多様性を大事にする観点からも、清流に棲む生物 オロを死滅させることはできません。
人が川原で活動を楽しむためには、出来るだけ刺されないようにするための備えをしておくべきです。
心得として、自然にお邪魔するという気持ちが大切だと思うのです。
そこで今回は備えておきたいポイントをいくつか紹介します。(これは私たちの施設で利用者に説明し、事業実施においても備えている内容です)
☆服装は長袖、長ズボン。 狙われやすい黒色系は出来るだけ避け、黄緑等明るい色をおすすめします。
☆人間の息(二酸化炭素)に近寄ってきます。活動時は帽子に網をかぶせて顔・首を守るとよいでしょう。(施設の事業では、タマネギネットをかぶって活動しています。奇妙に見えますが、安心ですよ。)
☆オロは、車の排気ガスも大好きで大群でよってきます。窓を閉めて、オロがよってきても慌てずエンジンをストップさせましょう。3分ほど待てば、大群は去っていきます。その間に行動にうつるとよいでしょう。
☆市販の虫除けスプレーはあまり効かないようです。私たちは「ハッカ油」を薄めて服や手・首にかけています。まずまずの効き目ですが万全とはいえません。
☆オロが体に止まったときはパシッとたたき落としましょう。万一刺された場合は、すぐに吸い取るか虫刺されの薬をぬります。(掻いてしまうと毒素が入りかゆみが増したり腫れたりします。)
どうぞ「オロ」に注意して、夏の自然体験を楽しんくださいね。
参考:タマネギネットをかぶって活動を楽しんでいます。