しみずっちの窓から㉟ ~ 春を待つ樹木たち ~
令和5年(2023年)1月30日(月)
春を待つ樹木たち
表紙の写真は、最強寒波が襲った先週木曜日に撮ったもので、施設2階にあるベランダの軒下には、まるで氷の暖簾ができたかのように「つらら(氷柱)」がずらっと並びました。中には1メートルは優に超えるつららもあって、外の厳しい寒さを物語っていました。写真奥に見える樹木たちは冷たい風雪を受けながらもその寒さに耐えていました。(最低気温がなんとマイナス9度にまでなりました!)
そんなたくましい樹木たちですが、寒さが緩んだ過日、施設周辺の林の中を散策していると、静かに春を待つ準備をしていることに気がつきました。今回は厳寒の中、樹木のひそかな息づかいが感じられた2枚の写真を紹介します。
写真①(冬芽)
この写真で枝に点在する白くとがった形をしているものは、施設玄関前「つどいの広場」沿いに植生するタムシバ(モクレン科)の冬芽(フユメまたは、トウガ)です。冬芽とは、樹木や多年草がつける休眠状態の芽のことをいいます。春が来れば、この芽から花や葉が出てきます。寒さや乾燥の厳しい冬を乗り越え、春に備えるための樹木の生きる工夫といえるでしょう。樹木によっていろいろな形をした冬芽がありますので調べてみると楽しいですよ。この冬芽から出てくる花や若葉たちを楽しみにして春を待つことといたしましょう。がんばれ冬芽たち。
写真②(根開き)
林の中を散策していて疑問に思ったことがありました。なぜ樹木の根元だけ雪が溶けているのだろう?きっと木が暖かいからだろうが・・・みなさんはおわかりでしょうか?調べてみると、これは「根開き」と呼ばれる現象で、その原因には諸説あるのですが、大きく次の2つが有力なものとされています。
一つは雪と樹木の光の反射率の違いです。雪は白いので、光を反射して温まりにくいのですが、樹木は黒に近い色をしているので光を吸収して温まりやすく、その熱が樹木の回りの雪を溶かしているというA説。もう一つは、春近くになると樹木がより活発に生長しようと、地下水から水を多く吸い上げるようになります。木の回りより温度の高い地下水を吸い上げることで樹木が温められるというB説です。
どちらも納得!なのですが、厳寒の真っ只中にある今、B説を押し通すわけにもいかないと思ってしまいます。とはいえ、どんな季節でも樹木の生長を維持するためには水は必要だと思うので、私的にはA説とB説のミックスでこの疑問の答えを整理しました(笑)
いずれにしても、樹木は命輝く春に向かってこの厳しい冬を乗り越えようと頑張っています。私たち人間も、寒い寒いと暖をとってばかりで怠けていてはとんだしっぺ返しがきそうです。(運動不足になって太ったりしますよ*苦笑)ここは樹木を見習って、凜とすべき時は凜とできるよう、メリ張りつけてがんばりましょう。明後日から2月です。春が近づいてきましたよ。