しみずっちの窓から㊺ 野に咲く花のように♪
令和5年(2023年)4月17日
野に咲く花のように♪
某国営放送の連続テレビ小説が大好きな私は、現在放映中の『らんまん』に刺激を受け、野草の研究(?)にはまっています。(笑)もちろん牧野富太郎博士には到底及ぶものではありません。あくまでも雑学獲得の卑しい目的(かじりで)で自宅や施設周辺の野草を調べています。
ただ、そうこうするうちに、人知れず地道に生命を燃やし続ける野の花たちに強く心を引かれるようになりました。
そこで今回は、しみずっちが魅了された野の花たちをいくつか紹介させていただきます。きっとみなさんも何気に身近で見られている草花です。もしも興味が湧きましたなら、どうぞ実際に、野外に出て生の姿も観てあげてくださいね。
初めは表紙の写真に注目下さい。
春の野辺に咲くおなじみの花たちです。向かって左が「ヒメオドリコソウ」、右側のかわいらしい水色の花が「オオイヌノフグリ」です。いずれも明治以降に渡来した外来種です。ヒメオドリコソウってどこかクリスマスツリーを連想させますね。花は桃色がほとんどですが、まれに白花もあるそうです。オオイヌノフグリは野路一杯に咲いているのをよく見かけますね。花は光が当たると一斉に開きます。もともと日本にあった、小さな桃色の花をつける「イヌノフグリ」は今や希少な存在になっています。
続いては春を代表する「スミレ」です。
この写真のスミレはまさに「スミレ」です。スミレといっても、日本に自生するものは約80種ほどあると言われ、品種や交雑種なども多く、それこそ色とりどりで、スミレだけの専用図鑑もあるほどです。少年自然の家の敷地内にも名前のわからないスミレに似た花々がたくさん咲いていて私の探究心をくすぐってくれます。(苦笑)
続いて登場するのが、私たちの施設がある山里に咲く花々です。
これは「ヤマエンゴサク」といって、山地の樹林地に生える多年草です。 高さは10〜20cmで、細長い花が特徴的です。実はこの植物は、地下に球形の塊茎(かいけい)があり、春先にそこから地上部に茎を伸ばして花を咲かせます。しかし、若葉が広がる5月頃には、地上部は潔く枯れて消えてしまいます。そして翌年の春まで、地下の塊茎で生きるのです。地上に現れるごくわずかな期間に自分の命を精一杯輝かせ、あとはじっと地下でエネルギーを蓄えていくとても辛抱強い植物です。
続いては「シャガ」を紹介します。
林の中に群生する、アヤメの仲間で、花の時期は4月から6月頃までですが、常緑の植物で冬でも葉は青々と繁っています。古い時代に中国から渡来したものが野生化したものと考えられています。写真では花が一つしか見えませんが、これからの季節たくさん花をつけていきます。ただし、花は咲けども実は出来ません。根茎が長く伸びてそれで殖えていきます。花言葉は「私を認めて!」です。この時期、施設周辺によく咲く花です。みなさんにも、ぜひ見ていただきたいです。
最後に紹介するのが、「ウマノアシガタ」です。
先週、施設前の花壇整備をしていたときに、ふと目にとまったのがお日様に照らされて輝くこの黄色い花でした。
株元に出る葉の形を馬の蹄(ひづめ)にみたてたことから「ウマノアシガタ」と名前がついたようですが、稀に八重咲きの花も咲くので「キンポウゲ(金鳳花)」とも呼ばれています。ただ、気をつけなければならないのは葉っぱや茎には刺激性の有毒物質が含まれているため、触るとかぶれる恐れもあるそうです。気をつけて下さいね。美しいものには●●があるってことですかね。(苦笑)
今回、春を伝えてくれる可憐な野の花たちを紹介しました。こうした花々を観ていると、かつて、テレビ番組の主題歌でダ・カーポさんが歌ってヒットした『野に咲く花のように』という曲の歌詞を思い出します。『♪ 野に咲く花のように風に吹かれて、野に咲く花のように人を爽やかにして・・・♪(略)』
こんな風にわたしたちも生きていけたら素晴らしいですね(笑)